孫子塾では、孫子兵法の通学講座およびオンライン通信講座、並びに脳力開発・情勢判断学講座を主催し、併設する道場で古伝空手・琉球古武術・松濤館流空手の指導を行っております。
なぜ孫子兵法なのか
人が「生きている」ということは、つまるところ問題やトラブルを惹き起こすことに他なりません。好むと好まざるとに関わらず、ことの広狭大小を問わず実人生の日々は戦いの連続です。
言い換えれば、人間の行動はその意志に起因するものゆえに、実は、戦略戦術の原点はまさに個々人そのものにあると断言できます。この自己という根本を忘却し、徒(いたずら)に他人のやった戦略戦術に興味と関心を寄せるのはまさに「戦略なき戦術」と言わざるを得ません。
その人間社会における戦いの最たるものが戦争です。戦争の全体を簡潔かつ体系的に論じて世界に名高い兵書が孫子です。ゆえにその応用範囲は極めて広く、その説くところは即、現代に通ずるという最古にして最新の希有な書物が孫子なのです。
なぜ脳力開発なのか
孫子は、戦争という極めてマクロな現象を総括するものであり、その論も自ずから抽象的な原理原則に止まらざるを得ません。従ってその理解と応用に当たっては読者に高度な抽象的能力が要求されます。孫子が難解とされる所以(ゆえん)です。
「脳力開発」は人間の普遍的行動の原理原則を体系的に整理し、日用的な問題に即しての情勢判断の方法、その判断の中核たる個々人の「心の鍛え方・磨き方」を具体的な実践論として提示しております。
言わば、孫子の実践論的体系が脳力開発であり、両者は相互補完の関係にあります。これらを循環往復するスパイラルな形で学び実践することにより、次第に高度な問題解決が可能となるのです。
なぜ古伝空手・琉球古武術なのか
孫子の具体的理解のためには、その思想が具現化されている武術を稽古することが捷径(早道)です。とりわけ、琉球武術たる古伝空手・琉球古武術は最適の優れものと言えます。中国武術の少林拳を祖とする古伝空手・琉球古武術には孫子兵法の武術的思想が色濃く流れているからです。
たとえば、琉球古武術における棍(棒)の用法などまさに孫子の曰う『常山の蛇』を彷彿とさせます。とりわけ得物(武器)を両手にもって操作する釵術・トンファー術などの動きは文字通りの陰陽一体であり、おのずから『奇正の環(めぐ)りて相生ずるは環(たまき)の端、無きが如し』のイメージが得心できます。あるいは攻撃線を外すという「捌き」の用法によって抽象的な『不敗の地』なるものを具体的にイメージすることができます。ことの事情は古伝空手の場合も同様です。
自己を確立し「心」を鍛え磨くことが人生の意義である
基礎的な習慣づくりを根幹とする脳力開発の実践は、そのゆえにこそ、日常の場においてまさに武術を稽古するがごとく「自己との対決」を否応無く迫られるという効用があります。
そのことを意識しつつ実践することにより、「自分が今、一番やりたくないことに立ち向かう」という克己の精神力を磨き、「生きている」ことを自覚し、「安心立命」の境地に至ることができるのです。
孫子の再来と称された彼の武田信玄は、『したいことをするな、いやなことをせよ、それがその身を全うする道である』と論じております。つまり、易(やす)きに就くか、難(かた)きに就くか、という二つに一つの場において、できる限り、(楽なこと、したいことをする側ではなく)勇気を必要とする側(いやなこと・したくないことをする方)に突き進むべし、そのような習慣を確立すべしと曰うのであります。
欲望と感情の塊りたる人間は、そのゆえにそもそも性(さが)弱きものであり、ゆえに難きを避け易きに付き勝ちなのである。しかし人たるの誇りを持って生きんと欲する者は、怠惰に流されてはならない。(いやなこと・やりたくないことに代表される)その弱さを直視して自己と厳しく対決し自己の主体性を堅持せよ、然(しか)らずんば人として敗亡する、と曰うのであります。
- 2012年05月05日
- 9、現代日本人はなぜ兵法的思考(戦略思考)が不得手なのか
- 2011年10月20日
- 8、老子と孫子の共通性について
- 2011年05月30日
- 7、孫子兵法と易経・老子・毛沢東・脳力開発との関係について
- 2011年05月24日
- 6、『敵を殺す者は怒りなり』の通説的解釈を斬る
- 2011年04月07日
- 5、孫子の曰う『善後策』と、一般に謂う「善後策」とは似て非なるものである
- 2010年12月01日
- 4、危うきかな日本 ~尖閣ビデオ流出行為は非国民かヒーローか~
- 2010年09月25日
- 3、孫子の曰う『拙速』と、巷間いわれる「拙速」の根本的な違いについて
- 2010年09月25日
- 2、「孫子はなぜ活用できないのか」のご質問に答えて
- 2010年09月25日
- 1、孫子をなぜ学ぶ必要があるのか
- 2008年11月11日
- 『孫子塾総合サイト』オープン
- ☆現代日本人はなぜ兵法的思考(戦略思考)が不得手なのか
- かつて日本には、リーダーの育成システムとしては世界に冠たるいわゆる武士道教育がありました。しかし、明治維新における身分制度の廃止・四民平等社会の実現によりかつての指導者層たる武士階級は消滅し、「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」式に武士道教育もまた弊履のごとく棄てられました。
とは言え、当時、武士道教育を受けた最後の世代たる指導者層はまだ健在でしたので、明治の時代はこの武士道教育の言わば余光によって領導され、とりわけ日清・日露の戦争はその余慶に預かるところ大であったと謂われております… - >>続きを読む…
